Arrow ウィルスを除去する (リムーバルガイド) - 2018年4月月更新

Arrowウイルス削除方法

Arrow ランサムウェアとは?

Arrow ウィルス – Dharma ファミリーの新しいランサムウェア

Arrow ランサムウェア・ウィルスのイラスト

Arrow ランサムウェアは 2018 年 3 月に現れた Dharma ランサムウェア ファミリーの亜種の 1 つです。このマルウェアは AES 暗号化手法 を使用し、ユーザーからお金を捲き上げるためにターゲットにしたデータに .arrow というファイル拡張子を付加します。身代金の支払い方法に関する指示が身代金メモに記載され、暗号化に成功すると直ちにダウンロードされます。

名前 Arrow ランサムウェア
ファミリー Dharma
感染したファイルを識別するために使われる拡張子 .id-[random-characters][vauvau@cock.li].arrow [badfail@qq.com].arrow .marat20.cock.li].arrow
Eメール・アドレス vauvau@cock.li
配布方法 スパム、感染性の Eメール添付ファイル、非合法ソフトウェア
デクリプタ Dharma Decryptor

Arrow ウィルスは通常悪意のあるスパム・メール経由で拡散され、中には難読化された添付ファイルが含まれています。被害者が文書を開くと、マルウェア・プログラムが投下されてシステム上で実行されます。マルウェアは直ちにシステムへの変更を開始しますが、それには以下が含まれます:

  • 特定の Windows プロセスやシステム・ファイルに対する管理者権限の取得
  • レジストリ・エントリの改ざんまたは新規作成
  • Shadow Volume Copies の削除

これらの変更により、Arrow マルウェアが PC に腰を下ろし、システムの起動時に開始されるようになります。しかし、最大の問題は、データの復元において大変重要となるシャドウ・コピーを削除する可能性があることです 。とはいえ、時にランサムウェアはそれらの削除に失敗することがあり、サード・パーティのソフトウェアを使用してデータの復元が可能な場合もあります。

Arrow ランサムウェアはほとんどの一般的なファイル・タイプを対象としており、文書や画像、音声、動画その他のファイルが含まれます。暗号化ウィルスは、連絡先の Eメール・アドレスや被害者の ID およびユニークなファイル拡張子を含む対象ファイルに複雑なサフィックスを付加します。暗号化の後に、全てのファイルは .id-[任意の文字].[vauvau@cock.li].arrow、[badfail@qq.com].arrow または .marat20.cock.li].arrow というファイル拡張子でロックされます。

被害者は vauvau@cock.li 経由で Arrow の作成者にコンタクトを取るものとされています。しかし、セキュリティの専門家はそうすることをお勧めしていません。サイバー犯罪者と連絡を取り、彼らのガイドに従うということは、お金の損失につながる恐れがあります。相手がデクリプタを持っているか、あるいは支払いを受領した後にそれを使わせてくれるか、何の保証もないのです。

Dharma の一部のバージョンは復号可能であることに留意してください。ですから、Arrow ランサムウェアは除去すべきであり、デクリプタを試してみてください。被害者が失われたファイルを復元できるように、その都度更新されている可能性があります。さらに、重要なファイルのバックアップを取っていなかった場合は、サード・パーティ製のツールもお試しください。

しかし、データの復元に進む前に、PC をクリーン・アップする必要があります。Arrow の除去には、専用のマルウェア除去ツールが必要でしょう。弊社では FortectIntego のご使用を強くお勧めしますが、他の評判の良いセキュリティ・ツールももちろんご利用いただけます。

Arrow ランサムウェアのイメージArrow ウィルスは Dharma ランサムウェアの別のバージョンです。

ランサムウェアの攻撃を回避するには、急いでメールを開かないこと

ファイル暗号化タイプのウィルスの主要な配布メソッドは、有害なスパム・メールの添付ファイルです。ランサムウェアの実行プログラムは一般に難読化された Word や PDF、また ZIP ファイルとして拡散されるため、うっかりひっかかって感染性の文書を開いてしまうのです。

しかし、注意を払い、スパムや他の怪しいメールを開かないようにすれば、ファイルを暗号化されずに済みます。メールのコンテンツに見覚えがない、あるいは怪しく感じられる時は、以下のガイドに従ってください:

  • 文法やスペルミスがないか探す。 詐欺師はしばしば打ち間違いや言語的ミスを犯すことから、その有害な目的が見て取れます。
  • 送信元に関する情報を詳しく調べる。 メール・アドレスや送信元に関する情報をオンラインで調べましょう。特に、送信元が銀行や政府機関、また同等の企業である場合に注意が必要です。
  • 信用情報を調べる。 フィッシング・メールにはしばしば署名やロゴなどの信用情報が欠落しています。

avirus.hu のスペシャリストは、フリーウェアのダウンロードや更新プログラムのインストール、また積極的なポップアップに注意するよう警告しています。それらはランサムウェアの配布にも使われることがあるからです。完璧に保護するためには、やはり評判の良いアンチウィルスをインストールし、バックアップを作成すべきでしょう。

Arrow ランサムウェアを安全に削除する

Arrow ウィルスを手動で PC から除去しようなどとは思われないようご忠告いたします。このファイル暗号化型のウィルスは有害なコードを合法的なシステム・プロセスに挿入し、悪意のあるアクティビティを実行する様々な追加ファイルやアプリケーションをインストールします。

経験豊富な IT スペシャリストではない場合は特にそうですが、これらのエントリをセキュリティ・ソフトウェアを使用せずに全て停止させることはほぼ不可能です。その理由から、Arrow ランサムウェアには自動除去を選択すべきでしょう。安全にマルウェアをクリーン・アップするには、FortectIntegoMalwarebytes または SpyHunter 5Combo Cleaner の中からどれか 1 つツールをお選びください。何か障害がある場合は、以下のガイドをお読みください。

オファー
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Microsoft Windowsに対応 macOSに対応
うまくいかない場合は?
Fortect Intego を使用してもウィルスによるダメージを取り除けなかった場合は、弊社のサポートチームに 質問を送信 し、できるだけ詳しい情報をお送りください。
Fortect Intego には無料の限定スキャナがあります。 Fortect Intego の完全版を購入されると、スキャンを通じてその他の機能もご利用いただけます。無料スキャナで問題が検出されたら、手動による無料修復ツールを使用して修復するか、自動的にそれらを修復するために完全版をご購入いただくこともできます。
代替ソフト
それぞれのソフトウェアには各々の目的があります。Fortect では感染したファイルを修復できなかった場合は、SpyHunter 5 をお試しください。
代替ソフト
それぞれのソフトウェアには各々の目的があります。Intego では感染したファイルを修復できなかった場合は、Combo Cleaner をお試しください。

手動 Arrowウイルス削除方法

ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除

Arrow ランサムウェアが自動除去を妨害する場合は、以下のステップに従ってください:

重要です! →
一般的な PC ユーザーの方には手動による駆除ガイドはやや難しく感じられるかもしれません。正しく実行するためには IT に関する詳しい知識が求められ (重要なシステムファイルが削除され、あるいは破損した場合、Windows 全体の感染に繋がる恐れがあります)、さらに完了までに何時間もかかる場合があります。そこで、上述の自動的なメソッドの使用を強くお勧めします。

ステップ 1。「セーフモードとネットワーク」に移動する

手動によるマルウェアの駆除はセーフモード環境で行うのが最適です。 

Windows 7 / Vista / XP

  1. スタート > シャットダウン > 再起動 > OK の順にクリックします。
  2. PC がアクティブになったら「詳細ブートオプション」ウィンドウが表示されるまで F8 ボタンを複数回押します (機能しない場合は F2、F12、Del などを押してみてください – マザーボードのモデルにより異なります) 。
  3. リストでセーフモードとネットワークを選択します。 ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除

Windows 10 / Windows 8

  1. スタートボタンをクリックして設定を選択します。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  2. スクロールダウンして更新とセキュリティを選択します。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  3. ウィンドウの左側で回復を選択します。
  4. 今度はスクロールダウンしてPCの起動をカスタマイズするを見つけます。
  5. 今すぐ再起動をクリックします。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  6. トラブルシューティングを選択します。 ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  7. 詳細オプションに移動します。 ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  8. スタートアップ設定を選択します。 ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  9. 再起動を押します。
  10. ここで 5 を押すか、5) セーフモードとネットワークを有効にするをクリックします。 ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除

ステップ 2. 怪しいプロセスをシャットダウンする

Windows タスクマネージャーはバックグラウンドで稼働しているプロセスをすべて表示できる便利なツールです。マルウェアがプロセスを実行している場合は、それをシャットダウンしなければなりません:

  1. キーボードの Ctrl + Shift + Esc を押して Windows タスクマネージャーを開きます。
  2. 詳細をクリックします。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  3. バックグラウンドプロセスセクションまでスクロールダウンし、怪しいものを探します。
  4. 右クリックしてファイルの場所を開くを選択します。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  5. プロセスに戻り、右クリックしてタスクの終了を選択します。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  6. 有害なフォルダのコンテンツを削除します。

ステップ 3. プログラムスタートアップをチェックする

  1. キーボードで Ctrl + Shift + Esc を押して Windows タスクマネージャーを開きます。
  2. スタートアップタブに移動します。
  3. 怪しいプログラムの上で右クリックして無効化を選択します。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除

ステップ 4. ウィルスファイルを削除する

PC の中で、あちらこちらにマルウェア関連のファイルが見つかることがあります。以下はその見つけ方のヒントです:

  1. Windows の検索ボックスにディスククリーンアップと入力して Enter を押します。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  2. クリーンアップするドライブを選択します (既定により C: がメインのドライブで、有害なファイルはここにありそうです)。
  3. 削除するファイルリストをスクロールして以下を選択します:

    Temporary Internet Files
    Downloads
    Recycle Bin
    Temporary files

  4. システムファイルのクリーンアップを選択します。
    ランサムウェア: セーフモードにおける手動によるランサムウェアの駆除
  5. 他にも以下のフォルダ内に隠れている有害なファイルを探してみてください (Windows 検索ボックスで以下のエントリを入力して Enter を押します):

    %AppData%
    %LocalAppData%
    %ProgramData%
    %WinDir%

終了したら、PC を通常モードで再起動します。

System Restore を使用して Arrow を削除

この方法でもウィルスを無効化してセキュリティ・ソフトを実行できるでしょう:

  • 手順 1: Safe Mode with Command Prompt へコンピュータを再起動
    Windows 7 / Vista / XP
    1. Start Shutdown Restart OK をクリック.
    2. コンピュータがアクティブ状態になったら、 Advanced Boot Options ウィンドウが表示されるまで、 F8 を何度か押下します。
    3. リストから Command Prompt を選択 'Safe Mode with Command Prompt' を選択

    Windows 10 / Windows 8
    1. Windows ログイン画面で Power ボタンを押下します。 その後、キーボードの Shift を押し続け、 Restart をクリックします。.
    2. ここで、 Troubleshoot Advanced options Startup Settings を選択し、最後に Restart を押下します。
    3. コンピュータがアクティブ状態になったら、 Startup Settings ウィンドウの Enable Safe Mode with Command Prompt を選択します。 'Enable Safe Mode with Command Prompt' を選択
  • 手順 2: システムファイルと設定の復元
    1. Command Prompt ウィンドウが表示されたら、 cd restore を入力し Enter をクリックします。 引用符なしで 'cd restore' を入力し、 'Enter' を押下します
    2. ここで rstrui.exe を入力し、もう一度 Enter を押下します。. 引用符なしで 'rstrui.exe' を入力し、 'Enter' を押下します
    3. 新しいウィンドウが表示されたら、 Next をクリックし、Arrow が侵入する前の復元ポイントを選択します。選択後、 Next をクリックします。 'System Restore' ウィンドウが表示されたら、 'Next' を選択します 復元ポイントを選択し、 'Next' をクリックします
    4. ここで Yes をクリックし、システムの復元を開始します。 'Yes' をクリックし、システムの復 を開始します
    システムを前の日の日付に復元したら、FortectIntego をダウンロードして PC をスキャンし、Arrow の除去が正常に行われたことを確認してください。

おまけ: データの復元

上記のガイドは PC から Arrow を除去するために役立つはずです。暗号化されたファイルを復元するには、uirusu.jp のセキュリティ専門家が用意した詳しいガイドを使用されることをお勧めします。

ファイルが Arrow によって暗号化された場合、それらを復元する方法はいくつかあります。

ファイルの一部を Data Recovery Pro で復元する

Data Recovery Pro なら使えなくなったファイルの一部を復元することができるでしょう。しかし、これは本物のデクリプタではないため、全てのファイルを復元できると思わないでください。

  • Data Recovery Pro をダウンロード;
  • Data Recovery のセットップの手順に従い、プログラムを PC にインストールします。
  • 起動後、PC をスキャンして Arrow ランサムウェアにより暗号化されたファイルを探します。
  • それらを復元します。

最も重要なファイルを取り戻すには、Windows Previous Versions 機能が使えます

ランサムウェアの攻撃の前に System Restore が有効になっていた場合は、以下のステップに従って最も必要なファイルの中から個別のファイルを復元することができます:

  • 復元の必要な暗号化されたファイルを見つけたら、その上で右クリックします。
  • “Properties” を選択し、“Previous versions” タブに移動します。
  • ここで、“Folder versions” 内のファイルのうち利用可能なコピーをそれぞれチェックします。復元したいバージョンを選択して、“Restore” をクリックします。

マルウェアがシャドウ・コピーを削除しなかった場合は、ShadowExplorer が便利です

Arrow ランサムウェアが ShadowExplorer が必要とする Shadow Volume Copies を削除しなかった場合、ランサムウェアによって暗号化されたファイルをこのツールで復元することができます。

  • Shadow Explorer をダウンロードします (http://shadowexplorer.com/)。
  • Shadow Explorer セットアップ・ウィザードに従い、PC にこのアプリケーションをインストールします。
  • プログラムを起動し、左上コーナーのドロップダウン・メニューを開いて、暗号化されたデータのあるディスクを選択します。どのようなフォルダがあるか、チェックしてください。
  • 復元したいフォルダの上で右クリックし、“Export” を選択します。復元先の場所も選択することができます。

Dharma Decryptor を試す

Dharma ランサムウェアの一部のバージョンは こちらの無料ツール で復号できます。お役に立つかもしれません。

最後に、クリプト・ランサムウェアから身を守るよう、常に気をつけてください。Arrow やその他のランサムウェアからコンピュータを守るためには、 FortectIntegoSpyHunter 5Combo CleanerMalwarebytes などの評価が高いアンチスパイウェアを使用してください

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政府のスパイ行為を許してはいけません

政府は利用者のデータの追跡あるいは市民へのスパイ行為に関しては多くの問題を抱えています。そこで、このことを考慮に入れて、怪しい情報収集の行いについて学びましょう。インターネット上では完全匿名にすることにより、迷惑な政府系の追跡行為を避けましょう。

オンラインにアクセスするために違うロケーションを選択し、特定のコンテンツ制限もなく、オンラインに接続して欲しいものにアクセスする時、別の場所を選択することができます。 Private Internet Access VPN を使用すると、ハッキングされるリスクがなく、簡単にインターネット接続をお楽しみいただけます。

政府の他の迷惑な当事者によりアクセス可能な情報をコントロールし、スパイ行為を受けずにオンラインサーフィンをお楽しみください。不法行為に関与しておらず、また自分のサービス、プラットフォームのセレクションを信頼していたとしても、自分自身の安全性を常に疑い、 VPN サービスを使用して予防的措置を講じておきましょう。

マルウェアの攻撃に遭った場合に備えて、バックアップファイルを作りましょう

コンピュータを使用していると、サイバー感染や自分のうっかりミスによりいろいろなものを失くして困ることがあります。マルウェアによって生じるソフトウェアの問題や暗号化による直接的なデータの損失から端末の問題や恒久的なダメージに繋がる恐れがあります。そんな時に適切な 最新のバックアップ があれば、そのような場面に遭遇しても簡単に元通りに回復して仕事に戻れます。

端末に何か変更を加えたらバックアップを取っておけば、マルウェアが何かを変更したり端末の問題が原因でデータの破壊やパフォーマンスの低下が発生した時点に戻すことができるため、バックアップの作成は不可欠です。元に戻せる機能を利用して、日常の、あるいは毎週ごとの習慣としてバックアップを取るようにしましょう。

なにか重要なドキュメントやプロジェクトの前のバージョンを取ってあれば、ストレスや障害も防げます。マルウェアが突如として現れた場合に大変便利です。システム復元には Data Recovery Pro をぜひご利用ください。

著者について
Lucia Danes
Lucia Danes - ウィルス・リサーチャー

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