システム・ファイル・リファレンス・ブック

ファイルといえば、一般にデータや情報、設定、またはプログラムに関するコマンドが記載されているストレージ・ユニットと説明されます。コンピュータ・システムは、それぞれ異なる量のシステム・リソースを使用する様々なファイルで構成されています。どの PC システムもあちらこちらの場所に位置する何千というファイル名で埋め尽くされています。最もよくあるタイプのファイルはシステム・ファイル、プログラム・ファイル、データ・ファイル、実行ファイル、テキスト・ファイルおよびディレクトリ・ファイルです。それぞれの拡張子 (各名前の末尾に付加されている短い部分) を見てそれらを区別することができます。PC にインストールされている OS が何であっても、ファイルはフォルダを利用して整理されています。ファイルはハード・ドライブや他のストレージ端末上に格納されています。ほとんどのファイルは変更したり名前を付け替えたりすることができます。

ファイルには無害なものと有害なものの 2 つのグループがあります。無害なファイルは完全に信頼できるシステム・コンポーネントであり、PC が正しく機能するために必要です。これらは合法的なアプリケーションに関連しているため、PC から除去してはいけません。最も重要なものがシステム・ファイルです。これらは PC の正常な機能性に緊密に関係しています。そのようなファイルを削除または改ざんすると、システムを著しく損なうことになります。

有害なファイルは PC に重大な害を及ぼす可能性があります。多くのメモリやディスク・スペースを消費する傾向があるため、システムのスピードや安定性、また機能性を大幅に落とします。マルウェアの作成者はあらゆる手立てを使ってそれらをシステムに隠すため、セキュリティ・ソフトを使用せずに有害なファイルを見つけるのは極めて困難であり、注意が必要です。例えば、合法的なアプリで使用されているものと寸分違わないファイル名を使用することもできます。さらに、バラバラな場所に隠そうとする傾向もあります。まず、そのようなファイルの名前は合法的なファイルの名前によく似ている場合があります。しかし、詳しく見てみると、どこかにスペルミスがあるのが分かってきます。PC システムに有害なファイルが存在しているかどうかを見極める最も簡単な方法は、信頼のおけるアンチスパイウェアでスキャンしてみることです。

有害なファイルと合法的なファイルとの違いを見分けられるようにするために、弊社では「ファイル」セクションを設けました。ここでは、合法的なアプリまたは PC ウィルスに関連のある数百種類のファイルをご覧いただけます。それらは全て拡張子で識別できます。そのうち最もよくあるものが .exe、.dll、.db および .lnk です。もちろん、このセクションにおいては、これらは合法的なファイルよりずっと悪意のあるファイルですが、それは弊社の目的が感染している PC システムを識別できるようにするところにあるためです。

「ファイル」セクションに加えられる各ファイルには説明と評決 (またはファイルのステータス) があります。この評価は、ファイルの説明を全て読む時間がない場合に、チェックすべき最も重要なものです。さらに、PC の診断のために推奨されるツールのリストもご覧いただけます。悪意のあるファイルと対峙していることが判明したら、推奨されているプログラムをどれか選んで PC からそのファイルを除去してください。